小型ロケット、風で打ち上げ中止 15日再挑戦へ、和歌山の発射場
宇宙事業会社スペースワン(東京)は14日午前、和歌山県串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から、小型ロケット「カイロス」2号機を打ち上げるとしていたが、発射場上空の風が強く中止した。民間単独としては国内初となる、人工衛星の軌道投入への再挑戦は先送りとなった。スペースワンの阿部耕三執行役員は、打ち上げを15日午前11時で調整していると明らかにした。
成功すれば、衛星打ち上げビジネスで海外の後を追う日本にとって、飛躍の契機となることが見込まれていた。
打ち上げるのは、全長18メートル、重さ約23トンの固体燃料ロケット。3段の燃料を切り離し、発射の約1時間後までに搭載した台湾の宇宙機関の衛星など計5機を分離、軌道投入する。
初挑戦となった3月の打ち上げでは、飛行のための推進力を実際の値よりも高く予測し、安全な飛行のために設定した範囲を外れ、自律破壊に至った。政府の衛星も搭載していたが失われた。
スペースワンは、IHIエアロスペースなどが出資して2018年に設立した。