「いじめ放置し責任転嫁」旭川 中2自殺、遺族の訴え判明
北海道旭川市で2021年、いじめを受けていた市立中2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が自殺した問題を巡り、遺族側が市に約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟で、学校などが広瀬さんのわいせつ被害や自殺未遂を認識しながら「いじめから目を背けて(広瀬さんの方に)責任転嫁し、漫然と放置した」と遺族側が主張していることが17日、関係者への取材で分かった。
訴状の詳しい内容が判明するのは初めて。いじめが起きてからの学校現場や市教育委員会の具体的な対応はこれまで明らかになっておらず、今後の審理が注目される。市は17日、「訴状の内容確認や整理を踏まえ、弁護士と相談しながら真摯に丁寧に対応していく」とコメントした。
関係者によると、遺族側は訴状で、広瀬さんが19年6月22日に川で自殺未遂をした翌日、教頭らが広瀬さんの携帯を見て、先輩から性的な画像を要求されたやりとりなどを確認していたと指摘。担任が5日後の市教委との協議で、学年で孤立していたのはいじめでなく自閉スペクトラム症(ASD)に由来するとの認識を示したとしている。