【独自】日本海でもアニサキス増加 食中毒の感染源がマサバに寄生
太平洋側のマサバが食中毒の主要感染源とされる寄生虫アニサキスについて、日本海側でも食中毒を引き起こす種類の寄生が増えていることが18日、内閣府食品安全委員会の研究で分かった。調査した国立感染症研究所の杉山広客員研究員は「食中毒リスクは太平洋側と変わらなくなっており、行政は消費者や飲食店に必要な対応を周知すべきだ」と指摘している。
アニサキスは幼虫が魚介類の内臓に寄生し、人間の体内に入ると、みぞおちなどの激しい痛みや嘔吐といった症状を引き起こす。内臓から身に移動しやすい種類「As」の寄生が太平洋のマサバなどに目立ち、日本海や東シナ海では、身に移動しにくい「Ap」が多いとされてきた。Apは内臓を除去すれば感染リスクはAsに比べて低いと考えられている。
日本海でアニサキス食中毒のリスクが高いマサバが目立ってきたことに関し杉山氏は「原因は不明だが、海流や海水温の変化などが関係している可能性がある」と話す。
食品安全委は今年1月、アニサキスの健康影響評価情報を公表、推計患者数は年間約2万人としている。