日中、水産物輸入再開へ協議継続 岩屋外相、早期実現を要求
日中両政府は22日、東京都内で閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」を開催した。岩屋毅外相と中国の王毅外相が出席し、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴う中国の日本産水産物の輸入規制に関し、輸入再開に向けた協議継続を確認した。外相会談も実施し、岩屋氏は規制撤廃の早期実現を要求した。具体的な再開時期は決まらなかった。経済対話の開催は2019年4月以来、約6年ぶり。岩屋氏は会談で、日本や台湾周辺での軍事活動の活発化に懸念を伝達した。
外相会談は岩屋氏が訪中した昨年12月以来。両氏は「戦略的互恵関係」を包括的に推進する方針を確認した。グリーン経済や少子高齢化への対応など幅広い分野で互恵的な実務協力の推進も申し合わせた。安全保障分野の意思疎通を深めていくため、日中安保対話の早期開催で一致した。
岩屋氏は、台湾海峡を巡り「力や威圧による一方的な現状変更の試み」への反対を表明。沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海への進出や邦人拘束などについても懸念を伝えた。