環境相謝罪も患者に渦巻く不信感 「自ら重大性に気付いたか疑問」

 「今回のことを深く反省し、皆さまのお気持ちに沿えるよう行政を進めていく」。発言制止問題を巡り、水俣病患者団体メンバーに謝罪するため、熊本県水俣市を急きょ訪れた伊藤信太郎環境相は8日夕、環境省水俣病情報センターの一室で数秒頭を下げた。ただ、患者団体には不信感が渦巻き、同日昼、涙目で陳謝した伊藤氏の言葉は十分届かなかった。

 謝罪の場で、発言中にマイクをオフにされた「水俣病被害者・支援者連絡会」の山下善寛代表代行(83)は、多忙な公務の合間を縫って謝罪に訪れたことを評価する一方、「自ら重大性に気付き、来たのかは疑問だ」と指摘。別の出席者は「被害者のことを考えていれば、あのようなことはしない」と批判した。

 伊藤氏との会談に先立ち、連絡会が水俣市の別の場所で開いた記者会見では、報道関係者ら約30人を前に山下氏が「(発言中にマイクをオフにされた)個人だけの問題ではない。患者全体の問題だ」と訴えた。発言時間を制限された点も「68年間の思いを3分にまとめろということ自体が間違いだ」と声を震わせた。

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