被害の検事、尊厳踏みにじられた 元検事正の性犯罪初公判後に会見

 元大阪地検検事正北川健太郎被告(65)が準強制性交罪に問われた事件で、当時部下だった被害者の女性が25日、大阪地裁での初公判閉廷後に大阪市内で記者会見した。自らを現職の検事と明かし「所属先のトップである検事正から被害を受け、検事としての尊厳を踏みにじられた」と涙をこらえて話した。

 女性はこの日、被害者参加制度を利用して法廷の内側から審理を見守った。会見では、2018年の事件後、被告から「公にすれば死ぬ、検察職員に迷惑がかかる」と口止めをされたと明かした。

 被害を訴えた後、虚偽告訴だと誹謗中傷されたり、うわさを広められたりしたとして「検察庁内でセカンドレイプが起きているというのが信じ難かった」と振り返った。

 元々、性犯罪に苦しむ人の力になりたいと考えて検事になったといい「私自身の経験を話すことで、ほかの被害者に寄り添うことができればと思い会見を開いた」と説明した。

 昨年末、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、現在は休職中という。

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