自民本部と官邸襲撃は単独テロか 「不審人物の情報把握が必要」

 自民党本部と首相官邸の襲撃事件は、26日で発生から1週間。臼田敦伸容疑者(49)=埼玉県川口市=は公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された際、防護服とガスマスクを着用し、車にはガソリン入りのポリタンクを積んでいた。専門家は、単独でテロなどを計画し実行する「ローンオフェンダー」の可能性があるとし「警察は自治体とも連携し、不審人物などの情報把握に努める必要がある」と強調する。

 容疑者は逮捕後、黙秘を続けており、警視庁公安部が動機や背景を捜査している。

 同居する父親によると、容疑者は以前、反原発活動に関わり、選挙の供託金制度に不満を抱いていた。

 国政選挙期間中は過去にも、安倍晋三元首相銃撃事件や、岸田文雄前首相襲撃事件が発生。いずれの事件の被告も、ローンオフェンダーの可能性が指摘されている。

 テロ対策に詳しい公共政策調査会の板橋功研究センター長は、日本のローンオフェンダーは、社会から孤立している人が多く、事件を起こす兆候を事前に把握するのは難しいと説明する。

 警察の活動だけでは限界があるとして「不審な情報を見逃さずに通報するなど、対策には自治体や地域が果たす役割も大きい」と話した。

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