石垣市、ふるさと納税で尖閣映画 米軍機の疎開船攻撃を題材
沖縄県・尖閣諸島を行政区域に含む石垣市は29日、太平洋戦争末期の1945年に同諸島の魚釣島沖で日本の疎開船が米軍機に攻撃され、数十人が犠牲になった事件を題材にした映画を製作すると発表した。総事業費の約3億円は、ふるさと納税制度を使った「ガバメントクラウドファンディング」や、企業版ふるさと納税を財源とする。11月18日から寄付を募る。
作家門田隆将さんのノンフィクション「尖閣1945」が原作で、監督は沖縄戦を描いた映画「島守の塔」の五十嵐匠さんが務める。完成は2026年夏から秋ごろ。
市によると、石垣島の住民ら180人以上を乗せて台湾に向かっていた2隻が、45年7月3日に米軍機の攻撃を受け、1隻は沈没した。もう1隻が漂着した魚釣島では餓死者も出た。
中山義隆市長は記者会見で「悲劇を二度と起こさないためにも、多くの人に事件を知ってほしい」と映画化の意義を強調した。