会社員の副業促進へ制度改定検討 厚労省、割増賃金の労働時間合算

 会社員らの副業に関し、1日8時間、週40時間を超えて働いた分に支払う割増賃金を計算する際に、本業先と副業先の労働時間を合算するという現行制度の見直しを厚生労働省が検討していることが12日、分かった。複雑な現行ルールを見直して企業側の負担を減らし、副業を促すとしている。

 厚労省主催の専門家による研究会が今後まとめる労働基準法改正に向けた報告書に盛り込まれる見通し。

 労基法上、1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて働かせる場合は、労使協定を結び割増賃金を支払う必要がある。

 現在の副業のルールでは、ある企業で雇用する従業員が副業先でも雇用されて働く場合、自社と副業先の労働時間を足して労働時間を把握し、割増賃金を支払う必要がある。1日単位で把握する必要がある上、どちらの雇用契約が先かなどを考慮しなければならない。

 ただ、労働時間の合算は健康管理の目的もある。厚労省は長時間労働とならないよう通算した労働時間を把握する仕組み自体は残し、割増賃金の支払いでは適用しない方法などを検討している。

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