靖国落書き「処理水放出の抗議」 中国籍の被告が主張
東京都千代田区の靖国神社の石柱にスプレーで落書きをしたとして、器物損壊と礼拝所不敬の罪に問われた中国籍の無職姜卓君被告(29)は29日、東京地裁の初公判で起訴内容を認めた。被告人質問では「(東京電力福島第1原発の)処理水海洋放出に抗議する目的だった」と説明した。
検察側は冒頭陳述で、被告が共犯者で中国籍の動画配信者の反日的な活動に共感していたと指摘。来日した共犯者を靖国神社まで車で送ったり、落書きに使用したスプレーを購入したりするなどサポート役だったと説明した。
被告人質問で被告は10年以上前に来日したとし、弁護士や検察官からの質問に日本語で応対。犯行前まで靖国神社に行ったことはなく「歴史に興味はない。海を守りたかった」と強調した。
起訴状によると、5月31日、別の中国籍の男らと共謀し、石柱に赤いスプレー塗料で「Toilet」と大きく書いて汚損し、公然と不敬な行為をしたなどとされる。
警視庁は7月に被告を逮捕したほか、事件に関与した疑いでいずれも中国籍の男2人の逮捕状を取り、指名手配した。