輪島、町唯一のスーパー本格再開 地震と豪雨の二重被災乗り越え
元日の能登半島地震と9月の記録的豪雨で被害を受けた石川県輪島市町野町の地区唯一のスーパーが30日、本格的な営業を再開した。「もとやスーパー」社長の本谷一知さん(46)は集まった客に「今日の再開を全国から注目されるまちづくりのスタートの日と位置づけたい」と力を込めた。
この日は陳列棚に食料品や日用品をいっぱいに並べた。地元の買い物客たちは、振る舞われた焼き鳥やジュースを手に歓談。近くの仮設住宅に暮らす本谷静子さん(64)は白身魚の刺し身を買い「正直この店はもう駄目だろうと思い、こんな日が来るとは思わなかった。豪雨からわずか2カ月で再開してくれてありがたい」と笑顔を見せた。
スーパーは元日の地震直後も休まずに営業を続けてきたが、9月下旬の豪雨では店内が約2メートル浸水し、休業を余儀なくされた。ボランティアなどの協力で片付けを進め、10月には敷地内の限られたスペースに商品を置き、仮営業を開始した。今後はスーパーにネットカフェや宿泊施設を併設することも検討している。