遺族「罪の軽さ」にも苦しみ 犯罪被害者団体、千葉で講演

 殺人事件や交通事犯の被害者団体のネットワーク「ハートバンド」は30日、千葉県習志野市で全国大会を開き、昨年宇都宮市で時速約160キロの乗用車に追突され夫を亡くした佐々木多恵子さん(60)が講演した。検察は当初“過失”として運転手を起訴。「遺族は大切な人を亡くした悲しみだけでなく、加害者の罪の軽さという不条理にも苦しんでいる」と訴えた。

 宇都宮地検は自動車運転処罰法違反の過失致死罪で起訴。佐々木さんの厳罰を求める署名活動を経て、10月に危険運転致死罪に変更された。佐々木さんは、全国の交通事故遺族らの支えがあったといい、「ここまで来られたことに感謝しながら(裁判所の)判断を待ちたい」と話した。

 2016年に大分県別府市の特別支援学校で給食を喉に詰まらせ死亡した女子生徒の母林香織さん(54)も登壇。知的障害のある娘郁香さん=当時(17)=を、教諭が食事中1人にしたとして県を訴えた裁判の係争中には、ネット上に香織さんらへの誹謗中傷が並び「悩まされた」という。

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