長野県警本部の“独立”悲願 県庁入居は「手狭」
長野県庁本館棟などに分散して入居している長野県警本部が、悲願の“独立”を目指して奔走している。都道府県警本部の中で、独立庁舎がない7県のうちの1県。「狭い」「警備面が甘い」といった声が尽きない。
かつて県警本部が入った建物があったが、1967年、隣に本館棟が完成したのを機に移転。旧本部は取り壊された。本館棟9階に刑事部や交通部、県庁食堂などが入る10階に、地域部や生活安全部が入る。県庁という組織上、廊下までは誰でも入ることができる。
県庁がある敷地の向かいの建物にも複数の課がある。交通機動隊などの建物は、南東へ約11キロ。「交通管制センター」は、北東へ約2・5キロの長野中央署に入居する。
警務課の高橋克行理事官は「分散配置によって一元的な業務運営に支障がある」と話す。ある幹部も「警備部と通信指令課が離れていて、大災害などの有事に機能するのか」と懸念する。
警察庁によると、他に独立庁舎を持たないのは埼玉、山梨、静岡、奈良、広島、大分の6県警で、それぞれ合同庁舎の形。