競輪選手の性被害訴訟で初弁論 女性「生きがい失った」
競輪の男性選手から性的関係を強要されたなどとして、選手だった女性側が男性や日本競輪選手会、競輪の実施団体JKAに慰謝料など計約2100万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、神戸地裁であり、女性が意見陳述した。被害をきっかけに引退したとし「生きがいである職業をこんな形で失い途方に暮れている。男性選手を許せない」と訴えた。
「選手が精いっぱい競技に専念できる環境がつくられることを望む」とも陳述。被告側は請求棄却を求めた。
訴状などによると、女性は選手会兵庫支部所属だった2021年10月、同支部の男性選手からキスや性的関係を強要されるなど、10件のハラスメントを受けたとしている。
22年4月にパニック障害と診断され、レースを長期欠場。「ハラスメント行為によって(選手の)未来を絶たれたという無念さ、精神的苦痛は筆舌に尽くしがたい」と主張している。
選手会やJKAに対しては、ハラスメントの事実把握や防止への取り組みを怠った結果、性被害が起きたと指摘した。