長崎の被爆者、平和賞授賞式報告 「世界の分断、変える力になる」

 ノーベル平和賞授賞式に出席した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の田中重光さん(84)と代表理事の横山照子さん(83)が13日、式のあったノルウェーの首都オスロから帰国し、地元の長崎市で記者会見した。田中さんは「受賞が今の緊張と分断の世界を、友好と協調の世界に変えていく力になるといい。日本政府は核兵器禁止条約に正面から向き合って」と述べた。

 田中さんは10日の授賞式で、受賞演説をした代表委員の田中熙巳さん(92)らと共に登壇。メダルを受け取った瞬間を「重かったし、責任の重さも感じた」と振り返った。「被爆者の平均年齢は85歳を超えたが、もうひと頑張りしなくてはいけないなという気持ちになった」と語った。

 受賞演説で、原爆被害への国家補償を拒む日本政府を草稿にない言葉を加えて非難したことは「被爆者の援護に背を向けていることが、世界に知られた」と評価した。

 横山さんはオスロの高校で被爆体験を証言した。「被爆者の活動が世間に認知され、核兵器をなくさないといけないと心から思った」と話した。

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