１９６６年の静岡県一家４人殺害事件で袴田巌さん（８８）の再審無罪が確定したことを受け、再審手続きを巡る対応について検証を進めていた最高検は２６日、同日午後１時半から結果を説明すると明らかにした。当時の捜査の事実確認を進めていた静岡県警も午後３時に結果を公表する。

　静岡地裁は９月の再審公判の判決で、重要証拠とされた、事件の約１年２カ月後にみそタンクから血痕に赤みが残った状態で見つかった５点の衣類と、袴田さんの実家から見つかったズボンの端切れ、自白したとする調書の三つを捏造と断定。袴田さんの無罪を言い渡した。

　畝本直美検事総長は１０月の談話で「袴田さんが相当長期に法的地位が不安定な状況に置かれた」として控訴断念を表明。「刑事司法の一翼を担う検察としても申し訳ない」とした上で、長期化した袴田さんの再審手続きに関し対応を検証する考えを示していた。

　一方、県警は１０月下旬から、刑事部長以下約２０人の態勢で当時の捜査員への聞き取りや捜査記録の確認などをしていた。