伊方原発、運転差し止め認めず 松山地裁、具体的な危険なし
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)は安全性が確保されていないとして、県民らが運転差し止めを求めた訴訟の判決で、松山地裁は18日、原子力規制委員会の審査判断は合理的で「原告らの生命や身体を侵害する具体的危険があるとはいえない」として請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
争点は地震や火山噴火のリスクに対する四国電の対策の妥当性。
菊池浩也裁判長は判決理由で地震について、複数の手法を併用して地震動を評価していると指摘。伊方3号機の沖合約8キロを通る中央構造線断層帯に関し、四国電は横ずれ断層の知見や調査結果を踏まえて評価し、不合理な点は見当たらないとした。
火山についても、阿蘇山の地下の浅い部分に大規模なマグマだまりは存在せず、巨大噴火が差し迫った状態ではないとする四国電の評価は合理性があると判断した。
原告側は中央構造線断層帯が、地震動が強くなる逆断層である可能性が考慮されていないと主張。阿蘇山で過去最大規模の噴火が起きた場合、火砕流が到達する可能性が十分に小さいとはいえないなどと訴えていた。