防衛増税、与党に慎重論 衆院選大敗、野党は反対

 防衛力強化の財源となる法人、所得、たばこの3税の増税を巡り、与党内から実施に慎重な声が上がっている。衆院選の大敗を受け、増税が来夏の参院選に悪影響を与えるとの見方が広がっているためだ。それに加え、政権運営で鍵を握る国民民主党をはじめ、野党は反対の姿勢が目立つ。石破茂首相は増税開始時期の年内決着を明言したが、財源の確保に暗雲が漂っている。

 政府は2022年、ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル開発など安全保障上の脅威が高まっていることを受け、27年度までの5年間に必要な防衛費の総額を約43兆円にすると決めた。財源は歳出改革や剰余金の活用、増税などで調達するとした。

 増税では27年度時点で1兆円強を確保する。23年度の税制改正大綱には「24年以降の適切な時期」に実施と明記された。だが昨年末に決定した24年度の大綱では増税批判を避けるため具体的な時期に踏み込まず判断を先送りした。

 石破氏は今年10月、衆院選の論戦の中で、実施時期を「年内に決着させなければならない」と強調していた。

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