公明、結党60年で正念場 埋没回避へ政治改革の主導狙う

 公明党は17日、結党60年を迎える。2012年の政権復帰以降、「安倍1強」の下で集団的自衛権行使容認など自民党に追随する場面が目立ち、支持母体・創価学会の集票力低下も相まって退潮傾向は著しい。先の衆院選敗北を受け、来年夏の参院選が正念場となる。まずは28日召集予定の臨時国会で政治改革を主導することで、埋没を回避しようと躍起だ。

 「少数与党では、公明が先頭に立ち野党と合意を得る場面も出てくる」。斉藤鉄夫代表は16日、地元の広島市で記者会見し、党の存在意義を力説した。これに先立つ広島県安芸高田市での街頭演説では「結党60年は人間で言えば新しく出発する還暦だ。新しい公明をつくっていく」と語った。

 公明は安倍政権で、限定的な集団的自衛権の行使や、武器輸出三原則の見直しを相次ぎ容認。岸田政権では、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有に加え、次期戦闘機の第三国輸出解禁も認めた。

 「平和の党」を掲げる公明は「厳格な歯止め」をかけたとアピールしたが、野党からは「専守防衛の理念が揺らいだ」との指摘も上がる。

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