402自治体間に合わず 情報システムへの移行、人手不足
自治体業務に使う情報システムの標準仕様への移行について、10月時点の政府調査に、全体の22%に当たる402自治体が2025年度末までの期限に間に合わないと回答したことが11日分かった。IT事業者の人手不足が原因で、昨年10月の171自治体から大幅に増えた。政府は25年度末を原則としつつ、間に合わない場合は「特定移行支援」と位置付けて自治体を支援し、30年度末までの実現を目指す。
自治体への支援費用として国が積み立てる基金の設置年限も、30年度末まで延ばす方向で検討。月内に基本方針の改定を閣議決定する。
調査では402自治体中341自治体が「事業者のリソース逼迫による開発・移行作業の遅延」を理由に挙げた。このほか判断を保留している自治体もあり、間に合わない自治体はさらに増える可能性がある。
標準化は全自治体が国が定めた仕様にそろえる。対象は住民基本台帳など20業務で、移行するシステムは総数で約3万5千に上る。自治体が間に合わないと回答したシステムは全体の6%に当たる2167システムだった。