福島第1原発でデブリつかむ 東京電力、容器底部へ爪形器具
東京電力は30日、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出しで、原子炉格納容器の底部につり下ろした爪形器具で少量のデブリをつかんだと発表した。回収には数日から1週間程度かかる見通しで、成功すれば第1原発で初となる。
9月中旬に手順確認のためデブリを一度つかんでいたが、カメラの不具合で中断し、10月28日に再開した。
30日は、格納容器内部で水平状態の採取装置を斜め下方向に伸ばし、格納容器底部にある「ペデスタル」と呼ばれる土台部分の内側まで進めた。
その後、数メートル下の格納容器底部に向け、装置先端から爪形器具を釣り糸のように垂らし、カメラで状況を確認しながら底部の小石状のデブリをつかんだ。そのまま器具を引き上げ、採取装置を縮めて元の水平状態に戻した。採取するデブリは3グラム以下となるよう器具を設計している。
作業中はデブリの状態を確認しやすいよう、冷却のために続けている原子炉への注水を一時的に中断した。