試験開始49秒後に「異常発生」 JAXA、イプシロンS
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目エンジン燃焼試験で起きた火災に関し、午前8時半の試験開始から49秒後に異常が発生したと明らかにした。試験場がある種子島宇宙センターでは大きな爆発音の後に炎が広がっており、JAXAは同日午後に現場を確認し、原因を詳しく調べる。
試験は約2分間の予定だったが、「ボンッ」という爆発音とともに火花が散り、火柱や白い煙が広がった。炎の塊のようなものも飛び散った。JAXAによると、けが人や同センター外での建物被害は確認されていない。
実験に用いたエンジンは全長3・2メートル、直径2・5メートル。従来のイプシロンロケットの2段目エンジンより約3トン多い約18トンの固体燃料を積んでいた。ほぼ同じエンジンを使った実証機を「イプシロン7号機」として2024年度中にベトナムの衛星を載せて打ち上げる計画だが、原因究明で変更は不可避とみられる。