“絶滅”イモリ再発見、渥美半島 50年ぶり愛知・豊橋で

 愛知教育大などのチームは10日までに、愛知県の渥美半島で絶滅したと考えられていたアカハライモリの「渥美種族」を、半島東部の愛知県豊橋市で50年ぶりに発見したと発表した。島田知彦准教授は「生物多様性が急速に失われる中、消滅したと考えられていた地域固有の集団が生き残っていた意義は大きい」としている。

 渥美種族は通常繁殖期の雄に現れる体色の変化が見られないなど他のイモリとは異なる特徴を持つ。2021年2月と22年10月、豊橋市の住民が自宅敷地内の古井戸近くで1匹ずつ見つけ県に情報提供した。チームが周辺を調べ、市内の休耕田2カ所でそれぞれ100匹以上を発見した。

 渥美種族は国内の3系統群のうち「中部日本群」に分類される。系統群内の他の種族とは交配せず遺伝的に孤立した集団で、進化史を解明する上で重要と考えられてきたが1973年を最後に記録が途絶えていた。

 2016年、愛知教育大の研究で愛知県の知多半島で見つかったイモリが渥美種族の残存集団であることが判明。チームは渥美半島でも再発見しようと調査していた。

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