イルカの赤ちゃん味覚ある? 北大など、可能性示す研究

 伊豆諸島・御蔵島で生息するミナミハンドウイルカの親子(勝島日向子さん提供)
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 哺乳類で、味覚がほぼ退化したとされる鯨類のうち、イルカの赤ちゃんは母乳の味を感じている可能性があるとの研究結果を、北海道大大学院環境科学院博士課程の勝島日向子さんらの研究グループが昨年10月、科学誌に発表した。勝島さんらは「これまでの常識を覆す可能性がある」とした上で、調査数がまだ少ないため「他の個体でも裏付けたい」としている。

 勝島さんらによると、魚などを丸のみして食べる鯨類は、甘味、うま味、苦味に関わる遺伝子が壊れていることが分かっているという。

 イルカの母乳は人に比べて脂肪の割合が高く、勝島さんは「“脂肪味”を感じているのではないか」との仮説を立てた。

 まず、いおワールドかごしま水族館(鹿児島市)でハンドウイルカの母乳を調べ、良質な脂肪酸を含むことが確認された。さらに、伊豆諸島・御蔵島(東京)に漂着した1歳のミナミハンドウイルカの舌を分析した結果、脂肪を分解する酵素があるほか、舌先の突起や奥のくぼみに脂肪酸の受容体遺伝子が見つかり、味覚として感じている可能性が示されたという。

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