ウクライナの子に心の傷 避難先の幹部訴え、施設再建急務
ロシア軍の空襲が続くウクライナ南部オデッサ市のアンドリー・ロゾフ経済開発局長(48)が来日した。複数の幼稚園や心の傷を負った子どもの療養施設が破壊されたと明らかにし「子どもたちの表情を取り戻したい」と、再建に向けた支援を訴えた。
ロゾフ氏によると、東部ハリコフ州や南部ザポロジエ州など前線に近い地域から数十万人が比較的安全とされるオデッサに避難。ロゾフ氏はその子どもたちについて「彼らは大人も見るべきではないものを目撃し、重大なダメージを受けた。何に対しても反応せず、非常に緊張している」と憂いた。
市内には元々PTSDやトラウマを抱えた子どもの療養センターが三つあったが、昨年までに二つがロシア軍のミサイルや無人機によって完全に破壊された。
センターは、9歳ごろまでの子どもを対象に心理的ケアを行い、大学進学や就労を果たせるようにすることが目的だった。
ウクライナ最大の貿易港オデッサも攻撃の標的となり、10月は複数回のミサイル攻撃で十数人が犠牲に。ロゾフ氏によると、幼稚園や学校が大きく壊れ、約500人の子どもが通えなくなった。