習氏「反トランプ」で課題残す 存在感誇示も国際社会の結束困難

 【リオデジャネイロ共同】中国の習近平国家主席は21日、南米訪問を終え帰国の途に就いた。米国第一を掲げるトランプ次期米大統領を見据え、国際会議で保護主義や一国主義への反対を繰り返し唱え、存在感を誇示した。だが会議の首脳宣言に反保護主義は明記されず、「反トランプ」で国際社会が結束するのは困難であることが浮き彫りになった。

 ペルー・リマで開かれたAPEC首脳会議で撮影された集合写真で習氏は、議長国ペルーのボルアルテ大統領と共に最前列中央の「名誉ある位置」(米紙)に立ち国際協調をけん引する“主役”を印象付けた。

 ブラジル・リオデジャネイロでのG20首脳会議の集合写真では議長国ブラジルと南アフリカ、インドの首脳と共に最前列中央を陣取り、主要新興国で構成するBRICSの団結を見せつけた。

 ただ、両会議の首脳宣言は習氏が訴えた「保護主義反対」を盛り込まなかった。国際秩序に関しAPEC首脳宣言は「効果的な多国間協力が一段と重要だ」と指摘。G20首脳宣言は「透明性のある多角的貿易体制が必要」との表現にとどめた。

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