被爆樹木の種、オスロで贈呈 広島から、7年ぶり再会も
【オスロ共同】日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与を前に、広島原爆を生き抜いた「被爆樹木」の種が9日、ノルウェー・オスロにあるオスロ大植物園に贈られた。2017年に寄贈され、成長した樹木と7年ぶりの「再会」を果たした広島県被団協の佐久間邦彦理事長(80)は「大きくなるまでに核兵器がなくなってほしい」と話した。
現地を訪れている被爆者や関係者ら約100人が参加。寄贈された種は、爆心地から約1・4キロの庭園「縮景園」にある推定樹齢200年以上のイチョウから採取された。佐久間さんが植木鉢二つに種を植えた。
非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が17年にノーベル平和賞を受賞した時は、渡航した被爆者や広島、長崎両市長らがオスロ大植物園を訪れ、被爆樹木のイチョウ、クロガネモチ、エノキ、ナツメから採取された種を植えた。
核兵器廃絶を目指す国内外の都市でつくるNGO「平和首長会議」事務局によると、被団協の受賞決定に際し、同会議に加盟するオスロ市から今年11月下旬に種提供の依頼があった。