中国で「顔の偏差値」競争過熱 就活有利、美容診療者が急増

 中国で“美顔信仰”が過熱気味だ。容姿の良しあしを評価する「顔値(顔面偏差値)」という言葉も定着。就職活動や職場で競争を有利に進めるために美容整形を受ける若者も多く、診療者数はここ10年で急増。医療ミスで死に至る事例もあり、当局は無資格で手術を施した診療所を摘発するなど規制を強めている。

 「鏡で美しくなった姿を見ると力が湧く」。中国の電子商取引(EC)大手で勤務する女性(30)は、しわの除去や脂肪吸引のために美容整形の診療所に足しげく通う。費用は年間約2万元(約40万円)に上るが「友人は年に10万元を使っている」と意に介さない。

 中国衛生当局の統計によると、美容整形の医療機関の診療者数は2013年の延べ約170万人から22年には約1250万人に増加した。

 美容整形市場が拡大するにつれて医療機関が乱立。医療事故も深刻化し、中国メディアによると、19年には後遺症が出たり死亡したりする事故が10万件近く起きた。中国消費者協会は、安易な整形に走らないよう注意を促している。(北京共同)

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