イラン、60%濃縮ウラン急増 IAEA報告、1・5倍に
【ウィーン共同】イラン核合意を検証する国際原子力機関(IAEA)は26日、イランが濃縮度を60%に高めたウランの生産を加速させ、貯蔵量が270キロ以上に増加したとする報告書をまとめた。昨年11月の報告書から約1・5倍になった。60%は、核兵器級の90%に接近する重大な核合意違反に当たる。
トランプ米大統領は今月4日、イランに対する「最大限の圧力」政策を復活させる大統領覚書に署名し、イランは制裁強化で圧力を強める米政権に反発。ただ双方とも核開発問題を巡る交渉に意欲を示しており、今後も駆け引きが続きそうだ。
報告書によると、イランは今年2月8日時点で濃縮度60%の六フッ化ウランを推定274・8キロ貯蔵。昨年11月の182・3キロから92・5キロ増えた。IAEAはイランが高濃縮ウランを大幅に増加させているとして「深刻な懸念」を表明した。