イラン、「米国と対話可能」 核交渉巡り揺さぶりか
【テヘラン共同】対外融和を掲げるイランの改革派ペゼシュキアン大統領は11日、イラン核開発問題を巡るトランプ米政権との直接交渉について「(イランを)尊重するなら話すことはできる」と述べた。ただ「脅威下では起きない」とし、対イラン制裁強化を含む「最大限の圧力」政策を復活させた米側をけん制した。
国政全般の決定権を持つ最高指導者ハメネイ師は8日の演説で米側との直接交渉を拒否したが、ペゼシュキアン氏は対話は可能と訴えており、米側に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。
イラン政府が米側と直接交渉するにはハメネイ師の許可が必要。政府は欧州連合(EU)などを仲介役に米側と間接的に交渉を積み重ね、制裁解除を目指す方針。
トランプ大統領は核問題の交渉を呼びかける書簡を送ったと7日放送の米テレビで話したが、制裁を強化しているため、イランは反発している。
第1次トランプ政権は2018年、イランが核開発を制限する見返りに欧米が制裁を解除する核合意から離脱し制裁を再発動。イランは対抗して核開発を拡大し、合意は機能不全に陥っている。