ドイツ下院、憲法改正案を可決 安保強化へ国防費増額
【ベルリン共同】ドイツ連邦議会(下院)は18日、財政規律を緩和する基本法(憲法)改正案を賛成多数で可決した。欧州の安全保障強化に向け国防費の増額などを可能にするためで、2月の総選挙後に連立政権樹立に向けた交渉を進める保守、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)とショルツ首相の中道左派、社会民主党(SPD)が提出した。連邦参議院(上院)の承認を経て成立する。
次期首相就任が確実視されるCDUのメルツ党首は演説で、米国に依存しない欧州の自主防衛の重要性を訴えた。トランプ米政権は欧州の安全保障への関与に消極的な姿勢を示している。
財政規律を重視するドイツは憲法で財政赤字を国内総生産(GDP)の0・35%までに抑える「債務ブレーキ」を定めており、改正案は1%を超える国防費を対象外とする。インフラ投資などのための5千億ユーロ(約82兆円)の特別基金創設も盛り込んだ。環境保護派、緑の党が当初、反対を表明したが、特別基金のうち1千億ユーロを気候変動対策に充てることで合意し、賛成に転じた。