白鵬、史上最速の横綱400勝達成
「大相撲名古屋場所12日目」(19日、愛知県体育館)
横綱白鵬が大関琴奨菊を押し出しで下して12連勝、史上9人目となる横綱400勝を達成した。昇進した07年名古屋場所から在位30場所目での記録は、北の湖の32場所を抜いて史上最速。日馬富士も鶴竜との大関対決を上手投げで制して無敗を守った。琴奨菊と平幕の魁聖が敗れて2敗力士が消え、優勝争いは白鵬と日馬富士の全勝2人に絞られた。
白星を重ねるごとに、白鵬の相撲が力強さを増す。立ち合いで琴奨菊に左のまわしを取られたが、即座に突き放して一気に押し切った。「今場所は体が動いているから無理な体勢でもすぐに切り替えられる」。組んで良し、離れて良しの取り口は、完調に仕上がった証しだ。
2場所ぶりの優勝に近づく12勝目は、史上最速の横綱400勝の記録にもつながった。在位30場所目まで一度も休場のない安定感がもたらした。「2桁勝利は地位の重みと責任。12勝以上を心掛けていることが、いい結果を生み出したんじゃないかな」と誇らしげだ。
優勝争いの相手は、同じモンゴル出身の日馬富士に絞られた。2人の直接対決について、鏡山審判部長(元関脇多賀竜)は「その方がお客さんも喜ぶ」と、割を崩す異例の対応で千秋楽での取組を示唆。横綱は「いずれ当たる。今場所のテーマはそれ(15連勝)なんだ」と10年秋場所以来の全勝優勝に自信を示した。