日馬富士、魁聖押し倒し全勝キープ
「大相撲名古屋場所13日目」(20日、愛知県体育館)
大関日馬富士は魁聖を押し倒し、13連勝を飾った。横綱白鵬も把瑠都を上手投げで倒し、全勝をキープした。また、審判部の協議により、慣例を崩して千秋楽に両者の取組が決定した。横綱と大関が全勝で相星決戦となれば史上初となる。大関陣では稀勢の里が琴奨菊を寄り切り10勝に到達した。
日馬富士が厳しい攻めで13連勝を決めた。平幕魁聖に立ち合いから右のど輪で体重50キロ、身長で約10センチ上回る相手をのけぞらせ、首にかけた右手を離さず、一気に押し倒した。
プロレスなら“のど輪落とし”のような荒技。「良かったです。流れでのど輪が入ったので一気に押せた。余計なことを考えず集中できた。皆自分より大きい。気持ちに変わりない」と満足げ。3度目の賜杯へ白鵬との並走が続いている。
慣例なら東大関筆頭の稀勢の里が千秋楽で横綱と対戦するが、審判部は「面白いしすっきりする」(鏡山審判部長=元関脇多賀竜)と千秋楽の白鵬‐日馬富士を決めた。
過去4例の全勝による相星決戦は、すべて横綱同士。今場所に全勝決戦となれば史上初だが、日馬富士は「明日のことで一杯。悔いを残さないように」と冷静だった。
前夜に大阪からトレーナーを呼び、初めてマッサージを受けた。初日から名古屋市内の接骨院で頭蓋骨矯正の施術を受け、験担ぎに焼き肉を食べ続けている日馬富士。「優勝は努力だけでなく運命がある」。残り2日。勝利を信じ、運命に身を委ねる。