碧山、亡き師超えた!部屋初の小結

 「大相撲秋場所」(9月9日初日、両国国技館)

 日本相撲協会は27日、秋場所の新番付を発表した。ブルガリア出身で新小結の碧山(26)=春日野=は、今年2月に46歳で急逝した田子ノ浦親方(元幕内久島海)の遺影を抱えて東京都墨田区の部屋で会見し、前師匠への思いを口にした。7月の名古屋場所を全勝優勝した大関日馬富士(28)=伊勢ケ浜=は、東の正位から3度目の綱とりに挑戦する。妙義龍(25)=境川=が新関脇に、旭日松(23)=友綱=が新入幕を果たした。

 天国にいる師匠の夢をかなえた。新小結の碧山は、入門時の師匠、田子ノ浦親方の最高位(東前頭筆頭)を、田子ノ浦部屋入門者としては初めて追い越した。日本語はまだ得意ではないが「三役で頑張りますと伝えたい。親方のため、自分のために頑張りたい」と語った。

 来日3年目。今年2月、部屋で突然倒れた前師匠が目の前で息を引き取った。死因は虚血性心不全。「心がバラバラになった。ブルガリアに帰ろうと思った」。悲劇を乗り越え、3月の春場所から春日野部屋に転籍。順調に出世を遂げた。

 春日野部屋の配慮で、前師匠夫人の久嶋綾子さん(54)が会見に同席した。「自分の番付を弟子が超えることが親方の夢だった。関取もそれが供養になると分かっていた」と話し「指導は厳しくて本当に期待していた。めったに褒めることのない親方でしたが、今日だけは褒めてくれると思います」と感涙した。

 所要18場所での新三役は元横綱曙に並ぶ史上7位のスピード出世で、春日野親方(元関脇栃乃和歌)からは「今度は現師匠を超えてほしい」とハッパをかけられた。

 場所の前後には久嶋さん宅の仏前で線香をあげるという碧山。持ち味は曙のようなパワー全開の突きと押し。「勝ち負けじゃなく、いい相撲を取りたい」。目指すものはまだまだ先にある。

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