白鵬が史上最速の通算700勝

 「大相撲秋場所11日目」(19日、両国国技館)

 横綱白鵬は関脇豪栄道を寄り切り、史上最速の幕内通算700勝を達成。

 大横綱にふさわしい勲章を、白鵬がまた1つ手に入れた。4日目の幕内最速600勝、中日で歴代2位となるストレート給金に続く記録更新。所要69場所での700勝達成は、73場所の貴乃花、武蔵丸(ともに元横綱)を抜いて史上最速だ。

 前日の10日目に連勝が途切れた落胆はなかった。豪栄道は過去に14勝1敗とあいくちのいい相手。立ち合いで右を差し、左上手をとる十分の形にすると一気に寄り切った。「(昨日は)もったいない一番。前に出られたんでね」と、完勝の取り口に満足そうに話した。

 今場所は体調管理に細心の注意を払う。朝稽古後に何度も、スポーツ・健康用具メーカーのファイテン社で柔道整復師を務める知野亨氏を部屋に招き、マッサージを受けてきた。知野氏はこれまで、ボクシングのWBA世界ミニマム級王者の井岡一翔、K‐1のアーネスト・ホーストにも施術。「立ち合いの動きを見ていると、調子はいいんじゃないですか」と3場所ぶりの賜杯奪回に太鼓判を押す。

 連敗を免れても、日馬富士を追う展開に変わりはない。10勝は「横綱としての勝ち越し」と義務づける最低ノルマ。ここからの白星の積み重ねが横綱の本領だ。優勝すれば通算23回目となり、貴乃花(元横綱)を抜いて歴代単独5位。次の記録に向けて「調子がいいのは知っている」と、自らを鼓舞した。

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