【集中連載】横綱日馬富士誕生(下)

 第70代横綱日馬富士の誕生によって、15場所続いた白鵬の1人横綱に終止符が打たれた。朝青龍が去って以来、圧倒的な力をみせた白鵬の今後とは。“白日時代”を占った。 

 秋場所千秋楽。直接対決で敗れ、日馬富士に全勝優勝を許した白鵬は「悔いはないですね」と話し、しばらくして「日馬富士は体は小さいが気持ちが大きい。肩を並べる者ができた」と巻き返しを誓った。

 07年夏場所後に横綱に昇進して以来、初の3場所連続のV逸。1人横綱となった10年春から、昨年九州まで計10場所で9度優勝。双葉山に次ぐ63連勝も樹立した。しかし今年の優勝は春場所のみ。横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長は「ピークは過ぎた」と評し、体の衰え、稽古量の少なさを指摘する親方は多い。

 朝青龍と白鵬が横綱に並び立った“青白時代”は、朝青龍が暴行問題の責任を取り引退したことで10年初場所後、唐突に終わった。白鵬が新横綱として臨んだ07年名古屋場所以降、25回賜杯をつかんだ朝青龍の優勝は4回のみ。白鵬の昇進は結果的に盟主交代を意味した。

 白鵬と日馬富士の関係は微妙だ。同じ春日山・伊勢ケ浜連合の一門下ではあるが、日馬富士は朝青龍の弟分。白鵬の横綱土俵入りでの太刀持ちを断ったことがある。白鵬は今年の稽古始めに「今年の目標はもう1人横綱をつくること」と話すも、期待の大関には把瑠都と稀勢の里を挙げた。

 1人横綱を3場所経験し、そのうち2場所を優勝した九重親方(元横綱千代の富士)は「2人になると気が楽になるし、刺激を受けてまだまだ、という気持ちになる。これからだ」と、白鵬の復活に期待を寄せる。

 09年に白鵬が3回、朝青龍が2回優勝。それ以前に、横綱2人が年間に複数回優勝したのは92年(千代の富士2回、北勝海2回)までさかのぼる。横綱が並び立つことは難しく、一方が一方の引き立て役になることが多い。白鵬が復活し、日馬富士もしのぎを削る“白日時代”は訪れるのか。相撲人気復活のためにも期待したい。=おわり=

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