日馬富士、モンゴル人横綱初の帰化視野
第70代横綱日馬富士(28)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が26日、誕生した。日本相撲協会が両国国技館で九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議と理事会を開き、満場一致で正式決定した。東京・江東区の伊勢ケ浜部屋での伝達式では「横綱の自覚を持って、全身全霊で相撲道に精進します」と口上を述べた日馬富士。モンゴル人横綱では、3人目にして初の帰化も視野に入れた。
協会からの使者を迎えた伝達式。聞き取りにくかったが「謹んでお受けします。横綱の自覚を持って、全身全霊で相撲道に精進します」と口上を述べた。「45点。かんじゃった。緊張したね」と苦笑いで振り返った。
大関昇進時と同様、身上でもある「全身全霊」を採用。日馬富士は「全身全霊はすごく重みがあり、素晴らしい言葉だ」と話した。
日馬富士のしこ名を考案した出雲大社相模分祠の草山清和分祠長が「国のつくりを固めるように、横綱としての自分をつくり固めていく」と願いを込め、古事記から引用した「修理固成(しゅりこせい)を心として」の一文が加わる案もあった。最終的には師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の淳子夫人が考案した「横綱の自覚を持って」が採用された。
日馬富士は同じモンゴル出身横綱の朝青龍、白鵬が果たしていない日本国籍取得を検討している。母のミャグマルスレンさんは相談を受けており「横綱が何を決めてもついていく」と反対はしない方針。「横綱も人間。いいことを記事にしてください」と、報道陣にお願いする一幕もあった。
帰化について「それはまたいつか…ノーコメント」と話した日馬富士。白鵬以来、約5年4カ月ぶりに誕生する新横綱への期待は大きい。一方で品格面を危ぐする声もある。伊勢ケ浜親方は「これからは公の人間。私の時間はない。世の中の為になる人間になれ」と訓示を述べているという。
日馬富士は「ちゃんとした生き方で歩いていきたい。毎場所優勝して、いろんな記録をつくりたい」と、横綱の責務を十分に意識しながら話した。