白鵬、最多タイ25回目の中日勝ち越し
「大相撲九州場所8日目」(18日、福岡国際センター)
横綱白鵬が豪風を突き倒しで下して無敗を堅守した。初日から8連勝での中日勝ち越しは通算25回目で、千代の富士(元横綱)と並ぶ最多タイ記録。関脇豪栄道も隠岐の海を上手投げで破り、自身初の初日から8連勝。2人が全勝で中日を折り返した。横綱日馬富士はかど番の大関琴欧洲を上手投げで退けて1敗をキープ。ほかの大関は、稀勢の里がかど番の琴奨菊を寄り切りで破り、鶴竜は栃煌山に寄り切られて3敗目を喫した。
白鵬が角界の歴史に、また大きな足跡を残した。ストレート給金での最多タイ記録。「いろんな記録があるんだね」。数々の大記録も現役中は通過点に過ぎず、派手に喜ぶことはない。
今場所で初めて、四つ相撲にこだわらなかった。立ち合いで豪風を右肩でかち上げ、左右の張り手を浴びせると、その勢いのまま突き倒した。「胸を合わせかけたが、微妙な距離があったから突き切った」と迷わずに突っ張って前へ出た。
横綱が白星を積み重ねるごとに、数々の記録が塗り替えられていく。「毎場所、優勝という目標がある。こういう記録も頭のどこかにあれば、達成してやろうという意識になる」。記録更新は、あくまでも賜杯獲得への道のりでしかない。
中日までの8戦全勝は、優勝争いが激しくなる後半戦への助走ととらえている。「横綱としての勝ち越しは10勝。それが近くに見えてきたという考えしかない」。4場所ぶりの優勝を果たして今年を締めくくる意気込みは、日ごとに強くなっている。