誤審防止へ自信ないなら手を上げるな

 「大相撲九州場所10日目」(20日、福岡国際センター)

 日本相撲協会審判部の鏡山部長(元関脇多賀竜)は20日、9日目の横綱日馬富士と関脇豪栄道の取組が審判の勘違いで止められ、前代未聞の「やり直し」となった誤審問題を受け、再発防止策を打ち出した。審判委員の親方衆を集め「自信のない時は最後まで通して、取り終わってから手を上げるように」などと注意喚起した。鏡山部長、誤審した湊川審判委員(元小結大徹)に対する処分は、前日に北の湖理事長(元横綱)からの注意をもって不問に付された。

 大誤審から1日。審判部が早速、対策を打ち出した。日馬富士が俵を伝って回り込んだ際、湊川審判委員が左足が出たと勘違いした一番。「勝負あり」と手を上げたため、立行司の式守伊之助が取組を止め、前代未聞のやり直しとなった。

 鏡山審判部長は一夜明け、審判部で「昨日みたいに自信のない時は最後まで通して、取り終わってから手を上げてくれ。それからビデオで確認しましょう」と申し合わせをしたと説明。湊川委員に対しては「間違いは誰にでもある。そんな大げさなことか」と、休場などの処分は科さない方針で、千秋楽まで予定通り務めるという。

 鏡山部長と湊川委員はこの日、北の湖理事長の元へ出向かず、謝罪や報告をしなかった。同理事長は「昨日『よく見るように』と通達している。今日から気を引き締めているでしょう。これ以上、何も言うことはない。(番付)下の取組からよく見るようになるでしょう」と説明。湊川委員は無言を貫き、式守伊之助も不問に付された。

 東京・両国の日本相撲協会、および福岡国際センターに設置された九州場所先発事務所には、夕方までにファンなどから合わせて30~40件の電話が寄せられた。「豪栄道が勝っていたのでは?」との内容が大半を占めたという。

 日馬富士は1敗を堅持し、豪栄道が2敗目を喫した10日目。影響について、新横綱は「ないです」と言い、豪栄道も「ない」と語った。

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