日馬終戦 新横綱V&3連覇消えた

 「大相撲九州場所13日目」(23日、福岡国際センター)

 新横綱日馬富士は大関鶴竜に寄り倒された。3日連続で土がつき4敗目を喫し、3連覇の可能性が消滅。横綱の責任を果たせなかった。横綱白鵬は大関稀勢の里を押し出して12勝目。平幕の旭天鵬1人が10勝で追い、14日目の24日にも4場所ぶり23度目の優勝が決まる。十両から陥落すれば引退を明言していた高見盛は、5勝目を挙げて残留を確実とし、ピンチを脱した。

 2場所連続で全勝優勝した強さはどこにもなかった。日馬富士は鶴竜に寄り倒されると、土俵の下でヒザをついたまま右手を腰に当て、顔をしかめた。立ち合いで当たり負け、相四つとなってからも防戦一方だった。

 前日は悔しさのあまり支度部屋に引き揚げると絶叫したが、この日は闘志が消えたように落ち着いていた。「動きが止まってしまった。当たった後、自分の流れにならなかった」と敗因を口にした。横綱として千秋楽までの優勝争いは最低目標。13日目で脱落したことには「もっと自覚して、責任感を強くしたい。応援してくれた人に申し訳ない」と謝罪した。

 北の湖理事長(元横綱)は「結果が一番大事。それは横綱の責任。痛感しないと」と猛省を促した。その上で「横綱は負けるほど重圧がかかる。はねのけて頑張ってほしい」と、期待を寄せた。

 先場所後に横綱に昇進してからは多忙を極めた。調整不足で場所を迎えたのは仕方ないが、初日から朝稽古を4日休むなど稽古量を誇る本来の姿からは離れていった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も22日に「もっと精神的に強くならないと。厳しさが足りない」と心配していた。

 3連敗となり残り2日。日馬富士は「自分の相撲を取りたい」と、休場は否定した。しかし「来場所は体と心をつくって頑張ります」と、心はもう九州にはあらず。最後に「力不足じゃないですか。力のある人が勝つから」と肩を落とした。体重の軽さを、負けん気ではねのけた横綱。まるで別人のようだった。

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