横審、次もダメなら日馬に“引退勧告”

 日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)が26日、東京・両国国技館で開かれ、九州場所を9勝6敗で終えた新横綱日馬富士(28)=伊勢ケ浜=に対し、厳しい声が相次いだ。初場所(来年1月13日初日、両国国技館)で再び1桁に終わった場合は、“引退勧告”を辞さないことや、横綱の昇進基準を見直す意見も飛び出した。2場所連続優勝で昇進した日馬富士が、横綱在位1場所で窮地に追い込まれた。

 不振を極めた日馬富士に厳しい意見が続出した。鶴田卓彦委員長は「2桁に届かないのでは横綱の資格がない!!心してもらいたい。極めて不満だ!!次は頑張ってもらいたい」と猛省を促した。横審は成績不振の横綱に対して、激励・注意・引退勧告をできる。この日は議題に上がらなかったものの、初場所で再び一桁だった場合は風向きが変わる。

 鶴田委員長は「最低でも10勝。次もダメなら考えないとね」と私見を述べた。沢村田之助委員も「もう引退でしょう。北の湖理事長(元横綱)も『8勝7敗は残念。9勝6敗でも、とんでもない』と言っていた」と、引退勧告が妥当との考えを口にした。

 2場所連続全勝優勝で昇進した日馬富士。しかし、その前の夏場所は8勝で、九州場所は9勝にとどまった。今場所は新横綱としては史上ワーストの5連敗も喫した。一桁は、87年九州で8勝7敗だった大乃国(現芝田山親方)以来の低迷だった。

 同委員長は「2場所連続で全勝優勝したので、横綱に上げないわけにはいかないと思った。ひょっとしたら早すぎたのか…。われわれの責任かもしれない」とも語った。反省とともに、今後の昇進基準の厳格化をも示唆した。

 白鵬が4場所ぶり23度目の優勝を飾った今場所。一人横綱解消による重圧の緩和を指摘する声に対しては「一人の責任を分け合うといっても、相手があの体たらくでは…」と切り捨てた。

 日馬富士はこの日、モンゴルに帰国し、30日に再来日する予定。来月2日から始まる九州巡業に臨む。25日の取組後には「わたしはこれから。心と体を鍛えたい」と巻き返しを誓っていたが、悠長に構えられる状況ではなさそうだ。

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