把瑠都に笑顔戻った!大関復帰へ自然体

 「大相撲初場所」(13日初日、両国国技館)

 大相撲初場所初日を翌日に控えた12日、東京・両国国技館で土俵祭りが行われた。北の湖理事長(元横綱)をはじめ日本相撲協会の役員、白鵬と日馬富士の両横綱ら三役以上の力士が参列し、15日間の安全を祈った。昨年の九州場所を左足の負傷により2場所連続で途中休場し、大関から関脇に陥落した把瑠都(28)=尾上=は、10勝の大関復帰条件を自然体で達成することを誓った。

 土俵祭りを終えた把瑠都は、一直線に国技館の地下駐車場へと向かった。周囲を見渡して「あっ、ここじゃないんだ」とつぶやくと、階段を上がって国技館の入場門に向かい、エレナ夫人が運転する車に乗り込んだ。

 15場所も務めた大関からの陥落を実感した瞬間だったに違いない。規定により、大関以上しか国技館地下駐車場の利用を許されない。大関復帰には今場所で10勝が必要。「調子はボチボチ。相撲を取ってみないと分からない。頑張ります」。それでも、陽気な男らしく表情は明るかった。

 関脇に身を落としたことで、取組の順番も変わる。大関なら中日以降に大関、横綱との上位戦が組まれるが、今場所は2日目に大関琴奨菊と対戦する。北の湖理事長は「横綱、大関とちぐはぐに当たるので、厳しくなるでしょう」と不安要素に挙げた。

 過去に2度も10勝を達成して関脇から大関に復帰した玉ノ井親方(元大関栃東)は、「精神面が一番つらかった。特に序盤が。そこを乗り越えられれば。難しく考えるより、あの明るさを出した方がいい。力が衰えたのではなく、ケガで落ちたんだから」と期待する。

 不安と期待。心中の配分を問われると「失礼だな」と一瞬表情を曇らせた把瑠都だが、すぐに「両方です」と笑顔を取り戻した。昨年の初場所は14勝1敗で初優勝を遂げて、感涙を流した。左足の故障さえ治れば、あの怪力は健在のはず。自然体の笑顔が大関復帰への自信を物語る。

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