白鵬、雪で初心戻れた 入門前思い出し
「大相撲初場所2日目」(14日、両国国技館)
白鵬は安美錦を危なげなく上手投げで退け、日馬富士とともに両横綱が2連勝を飾った。この日は関東地方が大雪に見舞われた。白鵬は12年前の大雪の記憶を披露しつつ、東北地方の苦労を思いやった。大関陣では鶴竜が栃煌山に敗れ初黒星。稀勢の里、琴奨菊、琴欧洲は2連勝。大関復帰を狙う把瑠都、大関昇進を狙う豪栄道の両関脇には、土がついた。
白鵬が強さを際立たせた。立ち合いで安美錦を張り差し、右の指し手を嫌がる相手をあざ笑うかのように左の上手投げで転がした。「初日の流れが良かったので、それを意識して臨みました」と、涼しい顔で話した。
この日は首都圏が大雪に見舞われた。大関以上は地下駐車場を利用できるため、雪の影響を受けず国技館入り。相撲への影響はなかった。それでも、白鵬は大雪を感慨深げに話した。
「大雪はうれしいです。これで関東の方も東北の方の気持ちを少しは分かったのでは。雪との戦いですから」
白鵬の誕生日は3月11日。東日本大震災が発生した日だ。「一生忘れることはない」と話し、被災地への慰問活動に積極的に取り組んできただけに、東北地方への強い思い入れをうかがわせた。
さらに「平成13年初場所、千秋楽の前に大雪が降ったね」と回想。確かに2001年(平成13年)初場所の14日目、1月20日の夕方から深夜にかけて、関東地方は大雪に見舞われている。「千秋楽の朝に部屋で雪かきをしました。お客さんがたくさん来て、準備もある」と振り返った。
初土俵は01年春場所。入門を間近に控え、部屋に住んでいた冬の日の出来事だった。23度の優勝を誇る大横綱にまで成長すると、15歳だった白鵬は思っていただろうか。そんな当時の心境も思い出し、初心に戻る2勝目となったに違いない。