妙義龍初金星!6度目挑戦白鵬倒した

 「大相撲初場所3日目」(15日、両国国技館)

 国技館内に座布団が乱れ飛んだ。平幕の妙義龍が横綱白鵬を一方的に押し出す大波乱。妙義龍は6度目の挑戦で初めて破り、自身初の金星を手にした。初黒星の白鵬は、昨年秋場所の栃煌山以来、自身8個目の金星を配給した。横綱日馬富士は豊ノ島を外掛けで退けて3連勝。大関陣では鶴竜が白星も、稀勢の里と琴欧洲に土がつき、全勝は琴奨菊だけになった。

 座布団が乱舞する土俵の中心には妙義龍がいた。初の金星。6度目の挑戦で白鵬をついに倒した。館内が騒然とする初体験の光景には「迫力あるっすね」と感心した。

 持ち味をすべて発揮した。立ち合いから白鵬の張り手に動じず、突き押した。横綱の上体を起こすと、相手のはたきに乗じて、一気に押し出し。「足も前に出ました。腕もよく伸びた。力が伝わったと思う。(横綱が)パッとなって(引いて)、おなかを押したらバンと出られた」と決着の瞬間を振り返った。

 3つの作戦を完遂した。右差しを許さない。胸を合わさない。左上手を許さない。「この相撲は自信になりますね。自分の前に出る相撲で勝ててうれしい」。新年初勝利に会心の笑顔を見せた。

 昨年の秋場所12日目にも白鵬と対戦。立ち合いで左の張り手から、右のかちあげをモロに食らった。脳震とうを起こして、ヒザから崩れ落ちるKO負け。それでも妙義龍は「引きずって怖がってはいけない。挑む気持ちでいきました」と胸を張った。土俵下で審判を務めた師匠の境川親方(元小結両国)は「頭の片隅にあったかもしれないが、あれでビビる男ではない」と弟子を評価した。

 新年の目標に大関昇進を掲げた。昨年秋には関脇で10勝し、大関候補に躍進。同10月には故郷の兵庫県高砂市の観光大使に就任。さらなる飛躍が期待される今年は、最初の本場所で妙義龍の名を知らしめた。

 10年には大けがを負った左ひざを手術し、休場を続けて十両から三段目まで陥落。どん底から再起した男は、金星にも浮かれた様子はない。「まだ場所は始まったばかり。勝とうが負けようが、思い切りやれればいい」と無骨に言い放った。

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