日馬10連勝 把瑠都を“瞬間殺”
「大相撲初場所10日目」(22日、両国国技館)
ただ一人全勝の横綱日馬富士は、関脇把瑠都を左からの出し投げで後ろを向かせて送り出し。初日から10連勝で単独トップを守った。1敗で追う横綱白鵬も豪栄道を左からの上手出し投げで圧勝。平幕で一人1敗だった宝富士が高安に敗れたため、1敗は白鵬だけとなった。大関稀勢の里は琴奨菊との大関対決を制して勝ち越しを決めた。
情け無用の速攻だ。ただ一人全勝街道をひた走る日馬富士は、大関復帰を目指す把瑠都をあっという間に送り出す“瞬間殺”で、横綱として初めての2ケタ勝利となる10連勝。5回目の優勝へ、いよいよエンジン全開だ。
立ち合いで両者の気迫の差が如実に出た。鋭い突っ込みで素早く左まわしをつかむと、すかさず出し投げを打って把瑠都を後ろ向きに。あとは土俵の外に出すだけ。「相手が突っ張ってくるのか、胸からくるのか分からないからね。横から攻めて突き放したいと思った。まあ、良かったですね」と、落ち着いた口調で振り返った。
新横綱で迎えた九州場所では、終盤で5連敗を喫するなど9勝どまり。周囲から厳しい批判を受けたが、まずは最低ラインの2ケタ勝利をクリア。北の湖理事長(元横綱)も「横綱が2ケタ勝つのは当たり前。優勝することに重きを置いているので、まだ安心できるわけではない」と終盤へ向けて、さらに土俵を引き締めることを要望した。「あと5日ある。一日一番、集中して行く」と、いつものフレーズを自分に言い聞かせて横綱初Vをつかみ取る。