【頑張れ高見盛13】8連敗で止めた 奇跡残留へ
「大相撲初場所13日目」(25日、両国国技館)
大歓声に包まれた。花道を引き揚げる高見盛は、どうだ!!と言わんばかりに顔を上げて胸を張った。
木村山に左肩で当たり、突き押されるも、左を差して前進。はたかれて、相手が土俵を割るより先に手をついたように見えた。物言いはつかず、軍配通りに白星を手にした。奇跡の十両残留へ望みをつないだ。
連敗を8で止めて4勝目。前日に続き、待ち構える報道陣には目を向けず、足早に国技館を出た。歩きながら「足がよく出た。ただ一生懸命ぶつかるだけ。体が動いた。(痛めている)右肩に力が入った感じがする」と手応えを強調。大声援は取組後に気づき「うれしいです」と感謝した。
幕下降格なら引退を公言している。十両残留は他力本願だ。6勝9敗でも一般的には負け越し分、3枚番付を落とす。下に2枚しかない東十両14枚目では苦しく、ほかの十両力士、幕下上位の成績に左右される。「十両残留?そこまで考えていません。1つ勝ったくらいでは喜んでいられない」と、少しだけ緩んだ表情を引き締めた。
部屋の千秋楽パーティーには、背中の手術で入院中の師匠、東関親方(元幕内潮丸)も駆けつける予定。高見盛は「今は相撲をやるだけ。まだある」。進退をかけ、最後の力を振り絞る。