白鵬“鬼門”東京でVならず
「大相撲初場所14日目」(26日、両国国技館)
やはり東京場所は鬼門なのか。白鵬は厳しい攻めで稀勢の里に全くスキを与えず、最後はがっちりつかまえて寄り切り。しかし、12日目までに喫した2つの黒星が重くのしかかる。あとは勝ち残りの土俵下で、日馬富士の優勝を見つめるしかなかった。11年秋を最後に東京場所で賜杯をつかめず、「ぜひ江戸で優勝を」と意気込んで臨んだ場所だったが、またも女神はほほ笑まなかった。
19日に死去した元横綱大鵬の納谷幸喜さん(享年72)に、優勝を報告したい気持ちが強かったはず。史上1位の幕内優勝32回を誇る大鵬さんに一歩でも近づきたい。その強い思いを土俵にぶつけたが、無情にも願いは届くことはなかった。しかし、気落ちしているヒマはない。千秋楽は日馬富士との横綱同士の対決。全勝を阻止して、第一人者としての意地を見せるしかない。「この2日間はいい流れの相撲が取れている。この2日を思い出して、あしたの相撲に臨みたい」と前を向いた。