【頑張れ高見盛14】27日ラストロボコップ
「大相撲初場所14日目」(26日、両国国技館)
大声援が悲鳴に変わった。高見盛は十両残留に絶望的な10敗目を喫した。幕下陥落なら引退を公言してきた。場所後に正式発表する見込みだ。
朝赤龍に右を差し、左上手を取り寄ったが、相手の下手投げで崩れた。互いに土俵外に正対して粘る接戦は、先にひざがもつれて崩れ落ちた。熱戦をねぎらう拍手を背に、前を向いた。
支度部屋を出ると3日連続で報道陣の囲みに対応せず、両国駅前でタクシーに乗り引き揚げた。歩きながら「体は動いていたと思うけど。うまくいかないな」とポツリ。進退については「完全に終わってから話す」と語気を強めた。引退を示唆すれば、その時点で土俵に上がれなくなるのが角界の慣習だ。
年寄株「振分」は既に取得している。現役続行の可能性は「それも含めて明日考える」と残した。千秋楽パーティーで、この日背中の手術から退院した師匠の東関親方(元幕内潮丸)らと進退を相談する。
動揺が大きいのか、前方不注意で途中の帰り道にある鉄柱に衝突して痛がった高見盛。「やめるな」というファンの声援に「ありがたいです」と感謝した。大麻、野球賭博、八百長…角界を襲った不祥事に一切関与することなく、正々堂々と力士の務めを果たしたロボコップ。千秋楽に思いをすべて込める。