元高見盛大忙し 早朝からTV番組行脚
初場所限りで現役を引退した元小結高見盛の振分親方(36)=東関部屋付き=が28日、都内で3月末から行われる春巡業への参加に意欲を示した。
横綱が引退後に参加した例はあるが、十両で引退した元小結の参加は異例だ。高見盛の巡業参加を要請する方針を固めた巡業先もあり、実現の機運は高そうだ。引退表明から一夜明けた振分親方はこの日、テレビの情報番組などに特別出演するなど、人気者としての繁忙な生活に突入した。
人気は横綱級だ。振分親方となった元高見盛は引退表明から一夜明け、TBS系の情報、ニュース番組を早朝から夜まで行脚した。
東京・港区のTBS局内で取材に応じ「体が疲れすぎて眠れない。これからの親方の仕事が不安です」と心配したが、引退の決断については「悔いはありません」と言い切った。両親や、兄弟子の元横綱曙(現プロレスラー)からも電話でねぎらわれたという。
あいさつ回り、今秋に実施される予定の引退相撲の準備など、仕事は山積みだ。だが、伊勢神宮奉納相撲(3月31日)を皮切りに全国7カ所で行われる春巡業への参加について「ないと思いますけれど、やってくれ、と言われればやぶさかではない。お客さんが喜んでくれるならやります」と、意欲を示した。
既に元高見盛への参加要請を固めた巡業先もある。富士巡業(4月7日、ふじさんめっせ)の実行委員会がこの日、富士市内で行われ、関係者は「協会にお願いをします。ぜひ相撲を取ってほしいです」と明かした。
過去には貴乃花、3代目若乃花の両横綱が引退直後の巡業に参加して土俵入りを披露。元高見盛の先代師匠、高見山はハワイ巡業に参加した。横審の内山新委員長が「高見盛のようにお客さんを沸かす力士が出てほしい」と言及するほどの逸材。元高見盛の参加要請はまだ続きそうだ。
まずは体力回復と、協会の仕事を優先させる意向を示した元高見盛。春場所(3月10日初日、大阪・ボディメーカーコロシアム)でNHK中継の解説を務めることも内定した。今やりたいことは一人旅で、各地で絵でも描いてみては、と提案されると「『裸の大将』じゃないか!」と応じてみせた。