白鵬“引退介錯人”に大鵬さんの孫指名
日本・モンゴル親善交流少年相撲大会「第3回白鵬杯」が11日、東京・有明コロシアムで行われ、小学校1~6年生、中学生による個人戦、団体戦が実施された。モンゴルから来日した8人を含む、347人が参加した。先月19日に死去した元横綱大鵬、納谷幸喜さん(享年72)の孫3人も出場し、横綱白鵬(27)=宮城野=は、自身が現役を引退する介錯(かいしゃく)人として、納谷幸成君(11)を指名した。
優勝23回を誇る大横綱白鵬が、自身にふさわしい幕引きを希望した。
白鵬杯に大鵬さんの孫3人が初出場。その最年少、幸成君とは、07年の横綱昇進後、初めて納谷さんのいる大嶽部屋を訪ねた際に対面した。「私になついてくれて足の形がおじいさん(大鵬)に似ていると思った。その子が大相撲の世界に入り、強くなって私を倒し、私が引退するのがいいのかな」と口にした。
私財を投入して大会を開き、将来の角界を案じるようになった白鵬。「ヒザから下の曲がり具合がいいと思った」と一目ぼれした幸成君を、介錯人に指名した。
白鵬から「頑張れよ」と激励された幸成君は「優しくて強い人だと思った」と話した。尊敬している祖父、元横綱大鵬については「おじいちゃんのような相撲取りになりたい」。この日は個人戦で初戦敗退、団体戦は1勝1敗だったが、強いあこがれを口にした。
かつて横綱大鵬は21歳の貴ノ花に敗れ、その大関貴ノ花は25歳の千代の富士に敗れ、その横綱千代の富士は18歳の貴花田(元横綱貴乃花)に敗れ、引退を決意したとされる。白鵬が次代に角界を託す瞬間は、訪れるのだろうか。